竹の仕事
藪での竹伐採から始まり、建築用材、お庭の竹垣の材料作り、施工、お茶やお華の道具、料理の器、竹馬・竹とんぼなどのおもちゃ作りと、様々なものを竹で作っております。
体力仕事から細かい作業まで何でもこなすのが、私たち三木竹材店です。
まずは、日ごろの仕事振りと京銘竹ができるまでをご紹介します。
伐採から運搬
竹にとって伐採は秋が良いとされています。この時期に藪から1年分の竹を伐り出します。
伐りためた竹は自社便にて店へと運搬します。
竹は8寸以上は鋸で、7寸以下は鉈(なた)で伐採します。
茶の湯の花入は竹の根元から使います。根は密生しており、掘るのに3時間くらいかります。
竹は、ねそという細く割いた竹の皮で結束するのが伝統となっています。
その後、薮から竹を運び出し、店まで運搬。
青竹から白竹に
青竹を丁寧に洗い、「京銘竹白竹」へと加工します。 京都独自の「火あぶり」技法を用いて、丁寧に竹の油分を抜きながら磨きをかけます。
この時、竹に曲がりがあれば「矯め」という作業で竹をまっすぐに矯正します。
油分の抜けた竹は天日で乾かして仕上げます。
その他の作業
料理の器などは、伐採時期にかかわらずお客様のご使用日に合わせて伐りたての美しい青竹をご用意します。どの竹も、竹を傷つけないよう節の間まで丁寧に水洗いします。
竹垣紹介
日本庭園において境界線、垣根の役割を果たしている『竹垣』。三木竹材店が手がけた様々な竹垣を紹介いたします。
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建仁寺垣
京都、建仁寺が発祥とされています。敷地の境界や目隠しとして用いられ、竹垣の中では最もポピュラーな垣です。
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御廉垣
小竹や女竹を水平に積み重ねるように並べ、縦の押縁で押さえた垣。これも境界や目隠しに使われます。
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光悦寺垣
京都、鷹ヶ峰の光悦寺にちなんだ垣。矢来風に菱で組んだ組子に独特の風情が あります。別に臥牛垣とも呼ばれています。
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金閣寺垣
足元の垣の代表格。境界的な要素があります。丸竹の縦横の組み合わせで冠竹を 用います。京都、金閣寺が本歌。
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枝穂垣
竹の枝を編みこんだ垣。枝の節をそろえた姿が、繊細で上品な趣があります。
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黒文字垣
クロモジの枝を立子とします。侘びた趣向に向きます。
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四ツ目垣
竹を縦、横に組んだだけの単純で素朴な垣。透かし垣の代表格です。
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鉄砲垣
丸竹を縦にして表裏にかきつけた垣。鉄砲を立てて並べている姿に見立ててこの名前がつきました。袖垣として用いられることが多い垣です。
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智山垣
京都・東山七条にある智積院の山門前が本歌。割竹を2枚重ねにし、東山に見立てて作られた仕切り垣です。
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和清垣
和敬清寂をあらわした素朴な垣です。京都・伏見にある栄春寺の米澤和尚に命名して頂きました。仕切り垣や足元垣また、ついたてとして使われています。
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桂穂垣
遮蔽垣のひとつ。淡竹の穂を左右に分け節を揃えて市松模様に並べます。押えとして半割りにした竹を等間隔で縦に並べます。竹はすべて剣の先のように、とがっているのが特徴です。
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龍安寺垣
竹を斜めに編んだ垣で、仕切り垣のひとつ。大切な樹木の保護のため、根元に人を近づけないという目的があります。横長の菱形が二つに重なっている姿がこの垣の見所です。