三木竹材店では、原竹伐採をはじめ京銘竹の製造や加工、施工までの一貫生産で、ものづくりをさせて頂いております。創業は明治10年、京都・吉祥院にて開業し、おかげさまで私で5代目となりました。
これもひとえに皆さまからのご支援のおかげと心より感謝申し上げます。　

私たちの原点ともいえる竹薮の管理、伐採に携わる中で私は、多くの気づきと学びを頂きました。
竹は、全身緑色。幹はもとより、枝も葉っぱも緑。そして中身は白く、その姿はとても清らかで美しい。また竹には節があり、強く硬くそれでいてしなやかで、粘り強さをもっています。驚異的なスピードで生長し、勢いを感じます。
竹薮に入ると、竹は天を仰ぐかのように皆同じ方向を向いて立っています。1本1本自立しているように見えていますが、実は地中では根っこでつながり地上では枝葉で支え合って立っています。生長した竹は、やがて葉を落とし土へと返り、次世代の竹の子を育てる養分となります。親からもらった養分で育った竹の子も、親竹となり自分も同じように次の世代の為に葉っぱを落とします。私はこのような竹の生き方を間近で見ながら、まさに我々の目指している生き方だと感じました。
先人たちもこのような竹の生き方に共感し、理想の生き方として道を切り開き歩んで来られたのではないかと思っています。
日本の文化は竹から、竹は日本の文化を支えています。茶道、華道、剣道、弓道、書道香道など日本文化において、竹はなくてはならない存在です。竹とんぼや竹笛、そして竹馬などの伝承遊びも親から子へ、子から孫へと受け継がれています。お箸もまた然り。先人たちが築いてこられた竹への感性は、脈々と受け継がれ様々な分野で日本文化を支えるものとなりました。

私たち三木竹材店は、これからも竹を通して日本の伝統文化の継承と発展につとめ、頂いたご縁を大切に一期一会の精神のもと精進して参ります。
どうぞ引き続きのお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。